40代で訪れた「静かな再起動」のはじまり
リモートワークが始まって2か月ほど経った頃、
長時間座りっぱなしの生活が続いて、腰に違和感を覚えることが増えていました。
最初は「少し疲れてるのかな」くらいに思っていたのですが、
やがて歩くたびに足にも違和感を感じるようになり、
今思えば、あの時すでに身体はかなり無理をしていたのだと思います。
数か月が過ぎた頃には、
ぎっくり腰のような急な痛みとは違う、じわじわとした腰痛が強まり、
座っているのもつらく、立ち上がることさえやっとの状態になっていました。
在宅勤務中、WEBミーティングが終わるたびに、床に横になり、
次の予定に移るには、しばらく体を休める時間が必要でした。
トイレに行くのも、ほとんど這うような状態。
ちょうどその頃、私は40代前半。
「本厄」と言われる年でした。
まさか、大厄ってこういう形でくるとは思わなかった
外にも出られず、仕事も最低限。
ベッドに横たわり、天井を見つめながらふと思いました。
このまま年を重ねていったら、
いざというとき、体も心も、立て直せなくなってしまうんじゃないか。。。と。
コロナ禍は社会の動きを止めただけでなく、
自分自身の足元にも目を向けさせる出来事になりました。
少しずつ、自分の身体を整える暮らしへ
その日から少しずつ、
自分の身体を「整える」ことに意識を向けるようになりました。
毎朝のラジオ体操。寝たままできる簡単なストレッチ。
YouTubeを見ながらの軽い自重トレーニング。
調子がよい日は、20分程度の散歩。
特別なことはしていません。
でも、何もしないで不安になるより、
小さなことでも体を動かしていた方が、心が落ち着くと気づきました。
整えるのは、体だけじゃない。心もです。
「今日は少し楽だった」——朝のルーティンと記録の時間
朝、コーヒーを淹れる。
ストレッチや筋トレのあとに、その日の体調をひと言書き留める。
「今日は少し楽だった」
「左の腰が重い気がした」
「ストレッチで痛みが強くなった」
誰に見せるわけでもない記録ですが、
そんな小さな積み重ねが、自分を整える土台になる気がしています。
あのときの腰痛がなければ
もしかしたら、あの腰痛がなければ、
自分の暮らしを見直すこともなかったかもしれません。
リモートワーク、腰痛、コロナ禍
この3つが重なった2020年は、私にとって、
自分を見つめ直す大きなきっかけとなりました。
そこから、私の「静かな再起動」は始まりました。
これから50代を迎えるにあたって、
体の変化、不安、先の見えにくさは、きっと増えていくと思います。
でも、だからこそ今、
「静かに立ち止まり、整える」ことに意味がある気がしています。
誰かに向けてではなく、自分のために。
焦らず、ゆっくり。
もう一度、立ち上がる準備をしている最中です。